外国人実習制度を活用検討中の皆様へ Q&A

Question

以前の研修制度では、一年目は「研修生」としてわが国の労働関係法の適応対象外でしたが、今回の改正では一年目から「実習生」として、いわば労働者としての扱いになるという事ですが、労働者とされた実習生の雇用に関しましてどの点への留意が大切ですか?

Anser

社会保険の加盟や税金の処理、各種控除など個別の課題に関する詳細は、JITCOのパンフレットやホームページに記載されていますので御参照下さい。但し、制度が改正に至った経緯や制度改正に伴って発生している事態等への全般的理解は更に重要です。
何故ならば、旧制度は国際人権機関やアメリカの国務省より「公的人身売買制度」と批判され、我が国は人権要看視国に指定される様な運営状態であったからです。
制度に関する関係法規を遵守し、実習生には労働者として諸般の権利を認め、更には貴社の海外戦略構築の折りには、重要な協力者として育て上げる意識の元に受け入れを行う事が要点でしょう。


Question

以前は中国からの研修生・実習生を採用しておりましたが、様々な事情でこの度フィリピン人実習生に変更しようと思っていますが、フィリピン人労働者の資質は中国人と比較して如何ですか?

Anser

まず以前の制度では、来日する研修生の総数の70%を中国の人々が占めていました。この状態は、「外国人研修生受け入れ制度」では無く「中国人研修生受け入れ制度」であると揶揄される状態でありました。
それは、中国という人権が担保されていない拝金主義と反日主義が蔓延する国に於ける違反違法行為の野放しが、日本側での研修生の人権無視の違法行為と融合した結果であったと考えられています。
従って、制度改正に伴い違法行為が行い難くなった事とともに頻発した問題によって現在、中国から別の送り出し国に変更する動きは加速しています。変更先の候補国では日本側での自国実習生扱いが中国のそれと同様であるかも知れないという懸念を関係機関に持たれています。
変更先の候補になっている国では、ベトナム・インドネシア・フィリピンが三大候補ですが、その中でも植民地の歴史が長いフィリピン人の就労態度は雇用側にとって、大変扱いやすい国民性で、言語能力や指示系統の尊重、義理や恩を理解できる日本人との共通点などは、他の国からの実習生に比較して抜群です。
更には、大変明るく協調性に富んでいる事も特徴です。


Question

海外進出を視野に入れねばならない意識はあるのですが、実習生の雇用と海外進出という課題がどの様に結びついているのか、今一つ理解出来ません。

Anser

事例では、旧制度の時代から自社の海外戦略と研修生の採用を関連付けておられた企業の方々がありました。
それら企業の方々はフィリピン人研修生を始めて採用されてから、既に10年以上の経験と人材の蓄積を御持ちです。
その経験と蓄積を活用して、海外進出を実施されたのですが、一番多かったのは車関係の周辺産業でした。投資に際して、これら企業は日本から帰国した実習終了生を現地で再雇用し、貴重な中堅技術者、アドバイザーや通訳として活用されています。
他の産業では、建設・土木・食品 加工業等が多かった様に思われます。


Question

フィリピン実習生の採用を考えてはいるのですが、日本人の人件費が下がっていますので、費用効果が低いと思うのですが・・・。

Anser

年々日本人の実質的収入は下がってきています。
しかしそれは、実習生の取得する最低賃金との比較に於いて考えられねばなりません。加えて、人材派遣業者から派遣される日本人の人材やフリーランスで応募する人々に技術の専門性や蓄積及び帰属意識を求める事が出来るでしょうか。
更には、その技術を企業に還元してもらう期待度は如何なものでしょうか。
実習生は、労働者として認定はされていても基本的人権の一部である居住の自由や職業選択の自由は付与されていませんので、安定的に貴社に3年間は貢献させられるのです。
従いまして、実習生に関しましては経営に必要な基礎労働力として御考えになるのが妥当であり、繁忙期の臨時雇用に関する賃金と比較されるのは間違いです。
又「安ければ良い」とは限らないのでは。「新しい酒は、新しい皮袋に」という諺通りに、新しい苦難の時代の人事は新しい発想と迅速な実施が必要と思います。


Question

3年間、フィリピンに帰国せず日本で就労して貰えるのでしょうか?
もし帰国するとなると、費用の問題は如何なりますか。

Anser

もし海外で仕事をするとなった場合を想定致しますと実習生であってもある程度は帰国機会の提供が必要と思われます。
帰国の機会は、送り出し国によって大分と違いがありますが、キリスト教国であるフィリピンではクリスマスに引っかけた年末年始が一番でしょう。
それに家族に生じた場合の臨時帰国でしょうか。新制度では、一時帰国措置に付いては詳しく触れていませんので、これは企業と実習生の間での随時の取り決めになると考えられます。帰国に必要な費用も含めて事前にルール化しておくとトラブルになる事はありません。


Question

ギリシャ問題に端を発したヨーロッパ諸国の財政危機や、中国景気の減速や崩壊の可能性などがニュースで見られる様になっています。
こうした状況の中でのフィリピン人に限らず新規採用はリスクが大きい様に考えられませんか?

Anser

確かに、世界経済は重大な曲がり角に差し掛かっています。
2014に掛けて更なる大変動が起きる可能性も指摘されている状態です。しかしながら、世界経済が崩壊した場合に、最もダメージが大きく復活に時間が掛かるのは、異論はあるものの我が国であると考えられています。
なぜならば、既に海外に逃避した大企業は膨大な数に上り、それらはもう日本に戻って来る可能性はほとんど無いからです。企業が帰らねば、雇用も経済の循環も生まれません。
その上、2012年5月現在のメディアによるアンケートでも、更なる海外進出を指向している大企業は、今まで対象では無かったサービス業も含めてアンケート総数の70%に昇っています。
投資リスクが最も高い日本国は本質として無資源国であり新資源開発にも遅れている状態が続いていて、比較の問題として海外の方が企業サバイバルという課題に於いて、より安全という事が出来るのでしょう。
海外進出する必須条件である人材の教育・確保という観点があれば、今直ぐに受け入れを始めても遅いくらいと思います。


Question

日本経済の先行きには大変不安を持っていますが、このまま国内市場のみの事業を続けていた場合には、経営維持は難しくなりそうでしょうか。
人件費の削減という意味での実習生の雇用は間違いでしょうか?

Anser

企業活動に必要な基礎労働力の確保という点に於きまして、実習生の雇用は当然大きな効果があります。
しかしその効果が、単に経営コストがさがったとして考えられるだけでは不十分という以上に勿体ないと思います。
下がった労働コストで浮いた費用を、海外進出の為の研究費開発費に使うか、投資準備金として留保するか、・・・等の戦略に位置づける事が大切であり、雇用した外国人の再活用という視点が必要と思います。
今後の日本では、年々重税感が蔓延して行きます。加えて徴税の苛烈化も進みます。規制緩和や経営インフラの改善も宛に出来ず、これで経営を持続させたいという方が無理でしょう。
国内マーケットに関して、これは縮小し続け、受注や利益の減少は早晩経営維持線を割り込んで行く時が来るでしょう。縮小バランスは当分の間取る事は不可能で、均衡する事は無いのです。
いわば縮小のスパイラルが起きているからです。 
こうした状況下では、企業の政策は国も含めた他への依存を無くし、且つバラバラでは無い独自の総合的戦略に基づいて統一されていなければなりません。
時系列的に外国人雇用も開始時や活用時をその一部として捉えて実行して行く事が肝心です。


Question

海外投資は大企業なら可能でしょうけど、私の様な中小企業で可能でしょうか?

Anser

一昔前は、大企業の専売特許であった海外進出ですが、該当する国に進出して見て改めて信頼出来る技術や経営内容の下請企業が少ない事に気づき始めています。
それら進出済みの大企業のみならず、新規に進出を視野に入れた企業でも、深く自社製品に関係する部品メーカーを引き連れて進出計画を立案する所が増えました。
品質の維持や該当国のマーケットへの柔軟な製品の開発と供給という課題などに於きましては、技術的に優れた日本企業は不可欠なのです。
それら企業のスムースな海外進出を所管し指導するのはJETROなのですが、それ以上に大企業自身が自社系列に関わらず中小企業向けの投資物件の開発を行う例が急増しています。
日本国の中小企業が持つ技術や雇用能力が欲しい途上国では、専用物件と特別条件を整備している所も増えました。
勿論フィリピンもその一カ国です。
2011年フィリピンに投資した企業は、スズキ自動車等の製造業のみならず、ある建設会社も年商200億円の計画を持って進出をしました。最低限の内部力量の蓄積は大切ですので、担当者の該当言語能力涵養や現地知識の蓄積、人脈形成などを計画して下さい。


Question

フィリピン実習生の採用を決めてはいるのですが、フィリピンの実習生送り出し機関の選択に困っています。適正度調査資料などはありますか。

Anser

調査資料はありませんので資料等からの判断は出来ないのが実状です。これは日本側所管機関に問い合わせても同じ解答でしょう。
フィリピン人が披雇用者としてその資質に期待が出来ても、送り出し機関が信頼出来なければ、スムースな受け入れ、監理等期待出来る筈も無いです。
資料はなくても御自身で充分に吟味して提携先を決めましょう。
その提携先を決める上で大切な事は、合法的組織である事が第一です。人材派遣に関するブローカーやその類は現地の関係法では違反となりますので要注意です。
次に大切な事は、送り出し機関が候補生から違法な金品を調達していない事です。借金を抱えて来日すれば実習生はその返済に追われ、日本側が期待する労働姿勢が求められなったり違反行為に走ったりするリスクが高まります。
三番目に大切な事は経営者に実習制度や日本国及び世界の経済事情に理解があり、その情勢に於いて必要とされる資質の実習候補生が集められ、教育されているかという事です。
フィリピン国でも登録済みの送り出し機関の中には、唯人を集めて日本に送り金になればよいと、旧制度の違法運営と変わらない思考しか出来ない企業も多いのです。
最後に一番大切な事は、今の時勢と共に将来に向けて必要な人材の供給体制を造るべき認識と用意と実力があるかという点です。これらを判断材料にして出来るだけ多くの送り出し機関にインタビューして下さい。


Question

フィリピン関する知識が私にはほとんどありません。知っているのは、在日しているフィリピン女性の生態程度の事。正しくフィリピンを学び、時機到来した折りに活用出来る知識を蓄積特にリスク管理に関して勉強したく思いますが、どの様にしたら良いでしょう。

Anser

如何なる外国に投資する場合でも、カントリーリスクがあります。肝心なのは、そのリスクが、何処から発しているか、そして解決する方法が見つかるのかという点です。
外国に出かけて行って個人が違法行為をする場合のリスクを論ずるなどは、ナンセンスですので、純粋に経済は経済の問題として絞ったリスクの所在が大切なのですけど、ある共産主義国の様に、基本的に反日でありながら資本や技術が欲しくて外国資本の導入に積極的な国もありますが、こうした場合政治的介入や行政の裏工作が行われるなど事業活動以外の所から思わぬリスクが生じる場合も発生しているのです。
フィリピンは基本的に自由主義の国ですから、及ばぬながらも司法が存在します。しかしながら所詮途上国の事ですから、何事に付け先進国流はなかなか通用致しません。郷に入っては郷に従うつもりで勉強致しましょう。


Question

フィリピン人の中で優秀な人物を管理者として指命し、実習生全体の監理をさせようと思うのですが、それは可能でしょうか?

Anser

決して全てのフィリピン人がそうであるとは断定出来ないのですが、一般的フィリピン人は基本的に管理者には向いていないと思います。
技術的に優れた者が、優秀な管理者になれるとはいえない事は、日本人でも同様ですが、フィリピン人には特にその傾向が強い。
国の中に、監理・管理という概念を教育する部署が無い事もその原因の一つです。
わが国に留学しているフィリピン人学生には極めて優秀な人物はいるのですけれど、一般労働者にそれを求めても過大要求であると思います。しかしこれは一般論ですから、案に相違して、優秀な管理要員として育つ人物が採用できるかもしれません。従って、全体的に披採用者の資質をボトムアップする直接面接はとても大切です。


Question

海外進出する場合以外には実習生の活用法はありませんか。無いならば、実習生の採用は国内での雇用に関わる費用の低減効果と安定労働力の確保しか無いのではと考えますが・・・。

Anser

海外進出はしたくても出来ない場合があります。これは出来るのにしないとは別物です。では、出来無い場合の雇用効果が半減してますのではという点ですが、貴社の扱い商品やそれに関連する原材量及び製品を再検討して見て下さい。どれ程の日本産又は日本製がありますか。
10年以前と比較して、増えていますか減っていますか。
日本国は本質的に無資源国であり高費用社会なのです。この観点は極めて重要です。しかも、材原料を加工して付加価値を付けて輸出する経営パターンも既に崩れているのです。
資本の海外逃避(進出)はそれら問題への解決法が最も如実に現れたものなのです。それ以外でも、該当国に対する製品輸出・原材料や部品・製品の輸入・関連産業知識の取得や他業種進出という様に従来の業務パターンからの脱皮には、該当国からの採用実習生と送り出し機関との繋がりは重要なステップボードとなり得るのです。
実習制度の活用という材料は手に入れられるのですから、その材料を優れた製品に仕立てるのは、貴社の得意とされる分野では無いのでしょうか。


国際化・人材戦略

外国人技能実習制度の詳細はこちらです⇒ 外国人技能実習制度 -成功の秘訣-




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